脂肪と聞くと「太っている」とか、「脂肪が付いている」というマイナスイメージが湧きます。
でも、脂肪酸は体にとっては非常に重要だと聞いたことがあります。
言葉だけで判断してしまうのは、早計だと思うのですが、脂肪酸について教えて下さい。
お答え致します。
脂肪(中性脂肪)の構成成分である脂肪酸には、いろいろな種類があります。
その中でも、成長や健康維持に欠かせない脂肪酸のことを必須脂肪酸と呼んでいます。
それではこれからこれらの脂肪酸の種類と体内での働きについてご説明いたします。
三大栄養素のひとつ
三大栄養素とは、「脂質」「たんぱく質」「炭水化物(糖質)」の3つです。
その中でも、「脂質」は、脂っこい食べ物=健康に悪いというイメージがあります。
その「脂質」の主な構成要素のひとつが「脂肪酸」なのです。
「脂肪酸」は他の様々な形体の成分と結びつくことで「脂質」を形成します。
では、その「脂肪酸」とはどういうものなのでしょうか?
脂肪酸とは?
脂肪酸とは脂質をつくる成分のことです。
食品中の脂肪の9割が脂肪酸で出来ています。
例えば、牛肉の脂肪、魚の脂肪、植物油などそれぞれ違った脂肪に見えますが、その成分の殆どが脂肪酸です。
脂肪酸は、炭素・水素・酸素が連鎖的につながった栄養素で、体の中で消化されだんだん短くなり、
最後は、炭酸ガスと水に分解されます。
その工程でエネルギーを放出します。
脂肪酸の体の中での働きとしては、次の4つがあります。
・人の活動のエネルギー源(カロリー)となります。
・人の細胞膜、ホルモン、核膜などを形成します。
・皮下脂肪として臓器などを外部からの刺激(衝撃・寒さ・暑さ)などから守ります。
・脂溶性ビタミンの吸収を促します。
以上の体の中での働きがあります。
脂肪酸は、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のふたつに分けられます。
脂肪酸の種類とは?
脂肪酸は、上記の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、
更に、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸、他価不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の合計4つに分かれます。
飽和脂肪酸とは?
中性脂肪やコレステロールの原料となっている。
【特徴】:エネルギーとして使われやすく、体内でも合成可能な脂肪酸です。
【働き】:一般的に過剰摂取になりやすく、体内で脂肪として蓄積されやすい。
【状態】:物質としては安定している。
【含まれる食品】:肉類、乳製品(牛乳・バターなど)、卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油など
【仲間】:ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸など
一価不飽和脂肪酸とは?
血中コレステロール低下作用を持つ。
【特徴】:オメガ9系脂肪酸とも呼ばれている。
【働き】:エネルギーとしては使われにくく、常温では液体の状態の脂肪酸である。
【状態】:物質としては安定している。
【含まれる食品】:オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに含まれる。
【仲間】:オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など
多価不飽和脂肪酸とは?
必須脂肪酸も含まれており、脳神経系の機能維持にも役立っている。
【特徴】:オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される。
【働き】:体内で合成できない必須脂肪酸を含んでいる。
【状態】:結合上、物質としては不安定なしくみとなっている。
【含まれる食品】:魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに含まれる
【仲間】:リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など
トランス脂肪酸とは?
ちょっと体にとっては良くない脂肪酸です。
【特徴】:植物油を高温にすることで生成される脂肪酸です。
【働き】:人間の体にとってはマイナス、健康面でも良くない働きをする。
【含まれる食品】:マーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれている可能性がある。
必須脂肪酸とは?
体が欲している脂肪酸、体内では合成できない脂肪酸のことをさす。
体内で作ることが出来ないので食事でカバーするか、それともサプリ・薬で摂取するしかありません。
その代表的なものに、αーリノレン酸はn-3系脂肪酸系で、リノール酸はn-6系脂肪酸系の二種類があります。
n-3系脂肪酸とは
n-3系脂肪酸には、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。
α-リノレン酸は主に植物油から、EPAやDHAは魚介類から摂取することができます。
特に、EPAやDHAには冠動脈疾患や脳梗塞、加齢黄斑変性症などの予防効果があると認められています。
しかし、最近の日本人の魚離れからEPAやDHAが不足がちです。
一日の日本人の摂取基準からすれば、魚に換算すると一日約90g以上、魚の切り身に換算すると1切り身程度が必要です。
もし、EPAやDHAが不足がちな場合は、サプリから摂取することも出来ます。
つづいてn-6系脂肪酸です。
n-6系脂肪酸とは
n-6系脂肪酸には、リノール酸、ガンマリノレン酸、アラキドン酸(ARA)などがあります。
また、ガンマリノレン酸、アラキドン酸(ARA)はリノール酸の代謝物です。
リノール酸はゴマ油などに多く含まれており、血中のコレステロールを減らす働きがあります。
しかし、摂りすぎると高血圧やアレルギーの原因になるため注意が必要です。
ガンマリノレン酸を多く含む食品は、ボラージ草や月見草などですが、含有量も少量でしかありません。
その他、体内でリノール酸から合成されます。
これらのn-6系脂肪酸が不足すると高血圧や高血糖の原因にもなります。
また、アラキドン酸はレバーや卵などに多く含まれており、血圧や免疫を調整する働きがあります。
これらの必須脂肪酸は体内で生成できないために、その大半を食事から摂取する必要があります。
しかし、最近の日本人の食事内容からすると食事以外でサプリからも摂取することが望ましいと思われます。
必須脂肪酸が体に対して行う働きのまとめ
この様に必須脂肪酸は体にとっては必要不可欠なものであり、疾病の予防にも期待できます。
脂肪酸のまとめ
お肉の脂身は誰しもがここはちょっと体に良くないのではと遠慮がちですが、良い脂質と悪い脂質があるので、
一概には、脂質が全て悪いとは言えません。
全体的には、脂肪酸はつまり脂質は人にとっては三大栄養素のひとつであり、欠かすことは出来ません。
その中でも、必須脂肪酸は体内では作ることが出来ないので、食事かサプリで補う必要があります。
そのため、DHAやEPAを補うことが必要となります。
また、DHAやEPAは酸化しやすく、自分の体で作ることはできません。
そんなあなたにDHAやEPAを補ってもらうサプリです。
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